数十年ぶりにピッキング

50数年前、東京 新橋に有った小規模ながらアンティック装飾金物と錠前の製造販売をしていた金物店

当時、経営者は錠前研究会を主宰しており知る人ぞ知るという金物店でした。

仕事の関係で経営者と知り合い入会させてもらい、土曜日の夜の研究会に参加していました。

そのなかでピッキングについても教えてもらいピッキングツールを入手して会社の机や自宅の錠前などでひそかにテストをする程度の使用。

ある日、出勤すると上司からすぐに社長宅へ行って机の鍵を開けてくれとの指示。

 

余談ながら社長の実父は衆議院議長経験者の独裁者で2代目ながら一時期は実父に反抗していたようですが実父の経営していた会社の一つの社長なっていました。

東大出身で詩人と経営者の二つの顔を持ち7社の上場会社を作り上げた経営者としても有能な人でした。

 

離婚していた社長宅に行くと朝食中で2階の寝室兼書斎にある両袖のある大きな木製の机、部屋の2面は天井までの書架、さすが文筆家と思いました。

さて開けられるかと不安はありましたがなんと一発で開錠、ほっとして確認のため引き出しを開くと社員と同じ給与明細書があり金額は25万円、当時の私の給料が5万円くらいだったと記憶しています。

その後、もう一度役立ったのは社長の母親の寝室の開錠の件。

御主人の元衆議院議長は他界していましたが東京広尾の広大な屋敷に住んで書生が多数おり会長夫人としてグループ会社ににらみを利かせる怖い存在。

夏はグループが経営する施設の有る軽井沢の別荘へ。

9月のある日、上司から会長宅へ至急に行ってくれとの話、明日会長夫人が軽井沢から帰宅するが寝室の鍵を紛失したようなので開錠してくれとの依頼があったと。

行ってみると書生が蒼い顔、錠前を見るとドイツのシュラーゲという当時で私の給料の半分くらいの価格がする有名な錠前。

瞬間、開ける自信は全くないなと恐る恐る取り掛かるとなんと開錠、ほっとしたがそれ以上に喜んだのは書生さん、お土産をたくさん頂きました。

 

さて本番はこれから、前回のこと長野の家の床下のスチール物置の鍵穴に異物が入ったのか鍵が挿入が出来ない。

今回、埼玉からピッキングツールを持ち込み、挑戦したら一発開錠で腕は衰えていな い ?

 

しかし、現在の錠前は以前とは格段の進歩で所有のツールでは開錠は無理でそれとともにツールの進歩も同様で開錠業者の腕の見せ所だが作業料もバカ高いようだ

 

又、余談になるが東京池袋にのサンシャイン60が完成した際に家賃が高くて入居企業が集まらず社長もサンシャイン計画の誘致に関係していたのでたグループ会社が10フロアーに入居。

なんとサンシャインのすべての錠前が新橋の金物店の製品でした、改めて金物店の経営者の錠前に対する情熱を感じました。

 

ピッキングツール