木刀

昨日の夕方に房総の家に来たが今朝は雨降り。

台風による塩害で枯れた柚子の樹を切ろうとチェーンソーを持ってきたが作業が出来ない。

家の中の整理を始めたら木刀が出てきた。

父親が作ったものだ。

家は私が継いでいれば6代目の木工業を営んでいた、初代は川口の豪農の何番目かで江戸に出て修行し現在の文京区に店を構えたらしい。

(初代の100年忌が昭和16年に行われ位牌が仏壇に残っている)

その頃は鍬や鎌など農機具の柄を作っていたようだが その後、3代目から木刀を作りはじめて父親の頃は軍需産業の航空機製造にに使う木ハンマー加わり結構な商売をしていた。

しかし、終戦と同時に剣道の禁止、軍需の消滅で仕事は皆無で出稼ぎ生活になり貧困を味わった。

 

そして剣道の復活と共に少しずつ木刀の需要も増えてきて特に家が東大に近いので戦前の学生時代に剣道を行っていた政財界の方が来ていたようだ。

安定した生活が戻ってきたが私は母親の勧めでサラリーマンになった次第。

父親が亡くなって50年余り、誰もいない家には機械や道具、の他に材料の樫材や欅材が多く残っていて薪ストーブで消費している。

父親は猛烈に怒ったが今考えると申し訳なかったと。

 

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